大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)1940 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人高橋守雄の上告趣意第一について。

仮りに所論の平和条約一〇条が所論のごとく無効であるとしても、原判決は、弁

護人が控訴趣意で引用した在外台僑国籍処理弁法に基ずき、被告人がその自由意思

により中華民国国籍を取得した中華民国人であること(すなわち、被告人が出入国

管理令の外国入にあたること)をも認定しており、右認定は、その説示に照らし是

認できる。それ故、所論は結局原判決に影響を及ぼさない主張に帰し、採るを得な

い。

同第二について。

所論は違憲をいうが、所論のような場合が憲法三七条一項に違反するものでない

ことは当裁判所の屡々判示したところであり、また、原審は被告人が政治亡命者と

して日本に対しその保護を求めて来たとの事実は本件記録に現われている全証拠に

徴するも認め難いと判示しているのであつて、右認定はこれを是認できるから、憲

法九八条二項違反をいう論旨は、その前提を欠くものであつて、いずれも採るを得

ない。その余は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三四年三月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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